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2007年08月23日
富士山
「富士山に登ろう・・」 そう決めたのは7月末になってからだった。昨年の夏、立山登山
のため富山まで飛行機にのった。晴天のなか機中から南北アルプスの山々はまるで
箱庭のように続いていた。そのなかで富士山のシルエットはやっぱり素晴らしく印象的
だった。近頃、世界遺産にと取りざたされている富士のお山にまた小2になった孫と
挑戦してみよう・・・。
“ごうりき登山学校”を主宰するガイドの近藤さんと7人の仲間と5合目で合流した。http://www.fujitozan.jp/welcome/index.htm
我ら祖母&孫組以外は全員30代、しかも、近隣で前泊して身体を馴らし、その上、
3人は富士登山のリピーターさん!!? ゆったりツアーの名に甘んじた心がみるみる
固くなった。「がんばろうね。」と孫に言うと彼は絶好調、足どりも軽い。
あぁ、大丈夫かなぁ、私が・・・。

俄かに雲行きが悪くなり雷鳴がそして霧雨が降ったり止んだり・・・
虹が何度も見え隠れする。


厳しい大自然を受けとめ生息する小さな花や木々たちを臨みながら登って行くと
下に影富士が横たわっている。しかも、虹も見える。すごぉ~い。(右下写真)

雨の中辺りは暗くなり帽子にヘッドランプを付けた孫はストックを上手に使いどんどん
登っている。途中、河口湖の花火がまるで線香花火のように見えみんなで一服する。
実は私は動悸が激しく教わっていた深呼吸もままならず最後部に付いて岩場をそろ
そろ這い上がっていた。ようやく今晩泊まる山小屋の辿り着いた。嬉しかった。
明るい笑顔で迎えてくれた。山小屋ではほとんどのグループが山頂でご来光を拝む
ため3時間ほどの仮眠後にまた出発するという。辺りは高揚した空気が溢れていた。
明日は山頂に登れるのだろうか、近藤さんは明朝天候を見ながら考えましょうと
いってくれた。新しい山小屋での泊まりは心地よいはずなのに神経が張りすぎていた
のかうとうとしながら夜中出発組を耳で送り4時半にはご来光の時間を告げられ目を
擦りながら表へ飛び出した。あいにく雲がかかり想像していた太陽にはお目にかから
なかったけれど濃いオレンジ色の朝日が雲間から縞のように望めた時は歓声と一緒に
シャッターを切った。みんな笑顔だ。よかったね。
「山頂に登りたい?」「絶対昇る!」「本当?」「うん!」
近藤さんが言った。「天候もいいのでとりあえずがんばろう!」 いっぱい遊んでくれた
仲間の皆さんも「大丈夫!一緒に行こう!」って言ってくれた。


山小屋を出発してから間もなくさっきまではしゃいで元気だった孫の様子が変だ。
気持ちのように身体が動かない。みんながじっと待ってくれていたがやはり酸欠の
ようだ。ここは3100メートルの8合目。
突然下から登山というよりランナーの格好をした人が頂上に向い軽々走りぬけて
行った。「富士山登山競走の練習の人ですよ。」「ええっ!?競走!?」
「どうする?下山する?」「自分のことだから自分でよく考えて決めろ!」と近藤さん。
しばらく黙っていた孫が「下山する。」とぽつっと下を向いて答えた。みんな黙って
聞いていてくれた。「よくがんばったね!」「みんなで写真を撮ろうね!」
全員のそれぞれのカメラにおさまり手をいっぱい振って別れた。
山頂ご来光組の人たちが朝陽の中、晴々とした顔で赤い瓦礫土下山道を滑るように
降りてくる。見渡せばアルプスの山々、河口湖、山中湖が朝の眩しい光の中に
ゆったり浮かんでいる。空には秋の雲も姿を見せていた。ほんと、よく頑張って登った
よね。さぁ、ゆっくり下りていこう。
日本を代表する富士山、ゴミもなく、トイレ臭もなく、たくさんの富士山を愛する人たちが
支えていることを身体で感じながら来てよかったと心から思った。途中、山頂まで
小屋に食糧を運ぶブルドーザーに遭遇する。勾配がきつい火山灰道を竜巻のように
砂を巻き上げ一気に登っていった。御苦労さま。

河口湖の民宿ではワイン風呂に入りその夜とにかくとにかく孫と一緒に爆睡した。
早朝からクラフト館で変形のビン作り、オルゴールの森では優雅にご満喫、おまけに
猿劇場では新之助クンと握手、昨日の疲れは何処かに消えて、また、人混みの中
あらたな疲れが・・・。いやいやでも食い気で解消と地元名物のほうとう鍋でお腹を
満たしてご満悦に。



この旅の〆は何といっても楽しみな河口湖音楽祭・佐渡裕氏指揮・シエナウィンド
オーケストラコンサートだ。出演の西田紀子先生と約束したカスタネットも持参して
いる。雨模様の天候で野外劇場にははなから屋根が覆いかぶさっていた。満員の
会場は学生ボランティアたちにより整然と開演を待っている。「あれっ、舞台の上に
ミラーボールが?」孫が言った。やがて演奏が始まり佐渡さんの語りも楽しく舞台が
盛り上がったところで第2部演歌・ポピュラーが・・突然照明がおちミラーボールが
客席を照らし始めた。団員の方たちの個性あふれるソロ演奏で客席は笑いの渦に。
音楽祭へのプレゼントは本当に意外で楽しかった。ラストはお決まりの会場から駆け
上ったファンと客席と一緒に「星条旗」を演奏?!する。「どうする?舞台の先生の
ところまで行ける?」「うん!」孫はカスタネットを片手に広い客席をスルスル通り抜け
舞台へ辿り着いた。凄い人数が集まってきている。彼の赤いTシャツが目立つ。
隣の客席のお姉さんお兄さんグループも舞台で見え隠れしている彼を応援してくれた。
指揮者は何人いただろう。お立ち台からこぼれそう。当の佐渡さんは行き場所もなく
客席で・・。いよいよ「星条旗」が始まった。誰もがみんな笑顔・・・。
これぞみんなで音楽!!!
楽しかったね。帰りも高速バスで新宿へJRを乗り継いで帰宅した。
もうすぐ12時になる時刻。パパが駅まで迎えに来てくれた。孫の笑顔が嬉しかった。
投稿者 staff : 2007年08月23日 09:38