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2008年07月28日

屋久島旅行

H君と二人旅を始めて3年目になる。「今年の夏休みはどこに行く?」世界自然遺産に
興味津々の彼は「屋久島!」を選んだ。「パワースポット、いいねぇ」 
早速“るるぶ屋久島”の本を買い求める。早い春の季節だった。

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朝4時、車で送ってもらう。大宮についた頃は東の空が白んできた。リムジンバスに
乗り込む。ほとんど寝ていないのにいつもながら開放感で頬がゆるんでしまう。
機上2時間、雲間に光る日本地図を眼下にしながら鹿児島空港に降り立った。

市内に入り西郷さん風?九州男児鹿児島弁のタクシー運転手とおしゃべりしている
うち眩しいくらい輝いた美しい稜線の桜島がまさに私達の目前で迎えてくれていた。
屋久島行き鹿児島商船南埠頭に隣接して「いおワールドかごしま水族館」がある。
ここが目的第1ラウンド!の場所。鹿児島湾入江のように人工波も創られた岩場は
臨場感いっぱいで小さな岩を持ち上げるとタコがうずくまっていた。湾のイルカたちの
楽しいショー、NHK大河ドラマ篤姫の名前にあやかった可愛いピンク色の海老。
何よりも“黒潮大水槽”ではジンベイザメの‘ユウユウ’やエイ、マグロ、鰹、鰯が
鹿児島の青い海の中を悠々と泳いでいるようで圧巻だった。大満足で館を後にする。
高速船トッピーに乗船する前に揚げたての「さつまあげ」をほおばる。すごく美味しい。
それにしても日差しの強さ、暑さは尋常ではない。外に出て店に忘れた帽子にすぐ
気が付いた。

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トッピーとは飛魚からの由来なのか。船内で2時間酔う暇もなく二人で爆睡した。
屋久島へ到着。寝ぼけ眼で降ろされた桟橋はまだ午後2持半だ。朝から効率よく
動いてきたので1日のなんと長いこと。しかし、これからが『島時間』に悩まされる
スタートだった。運転免許のない私はレンタカーがダメ、タクシーは広い島内では
半端な金額では無理、よって交通手段はバスのみ……。「屋久島環境文化村セン
ター」に立ち寄り予習というべき迫力せまる自然映画を見た。その結果次のバスまで
待つこと1時間、土産売場をぶらぶら、やっと来た路線バスでまた1時間、旅館に
着いたのは夜7時だった。風呂も入らず夕食を頂く。飛魚の唐揚げは皿上を飛行して
いる。鯖の釜飯、水の美味しさにも疲れも吹っ飛んだ。H君の笑顔は満足そう。
それにしても全くよく食べるようになったね‥‥。旅はこれから本番、長い一日だった。

IMG_2346.JPG林芙美子が「浮雲」を執筆したホテルの部屋から

白谷雲水峡に行こう。明日に向けての足慣らしで!なんてどこで間違ったのか。
重ねて失敗が続く。バスの時間が例のとおり1時間ほど余裕があるので何かいい
お店に出会うんではとひとつ先の停留所まで歩くことにした。あったあった「屋久杉
工房!!」朝早いので戸が閉まっていたが様子に気がついて店主が顔を出してくれ
た。「加工前の屋久杉がほしいんです。」なんとお気に入りのものが目の前にある。
奥様が宿泊しているホテルの賄いしているので届けてくれるという。値段交渉も成立
した。O.K!もうそろそろバスの時間だからと店を後にして目の前の停留所で待つ
ことに。「あれぇ、バスが来ないよ!なんで!」 「おかしいと思って来てみたんだけど」
と心配顔で先程の店主、山口さんが愛犬のユキちゃんを抱いて来てくれた。「もしか
したら、違うんじゃないの?」「でも昨日バスでここを通ったんです。」「いや、通らない
バスもある。途中、Y字の通りがあったでしょ。」「ええぇ!?」山口さんは「今からバス
を追いかけてあげる」といって仕事用機材の入ったままの軽自動車を出してくれた。
バスの姿は一向に見えない。昨日載ったバスは止まってばかりいたのに。「あっ、
見えた。」ほとんど終点に近い所まで来ている。「またバスで乗り換えて時間がかか
るのですいませんがこのまま白谷雲水峡まで行ってくれますか?」山口さんはH君の
こともあり「そうするか」と答えてくれた。3度目の勘違いが続く。延々と道は高度に
且つ険しくなって行く。「こんなに行くんですか?」「そうだよ、あのてっぺんだから。」
思わず絶句してしまう。「ユキちゃんも初めてだよね。この車でここまで来るとは思わ
なっかたよ。機械も一緒でね、重いなぁ。」 もっと近い、ましてここまでのぼりつめる
なんて・・・。「すいません。」「いいんだよ。」登山口まできた。山口さんの知り合いの
ガイドの人もいて「明日のためにあんまり無理はしないほうがいいよ。」という。まったく
もっては恥ずかしい。PCで見た連日屋久島登山元気報告のブログはそう若者だった。
「一緒に帰ります。すいません。」「いいよ。写真を撮ったら帰ろう。」

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ユキちゃんも一緒に一気に山を降りる。ガソリンもギリギリでようやくセーフでガソリン
スタンドへ。税込みでリットル200円を超えた。「島では輸送料も入って高いんだよ。」
その後、山口さんの友人の食事処でお茶をいただく。種子島出身のご主人は俳優
並の個性的な二枚目。京都の隠れ茶室のように庭から建物、内装、家具まで凝って
いる。ほとんど手作りという。薄暗い窓から眩しい緑を通して遠くに輝く海が望めた。

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「とりあえず家に戻ろう。奥さんも戻っているから。」
朝からの一部始終の話を聞いて奥さんも笑ってくれた。お昼も御馳走になってしまう。
「若い時仕事で鴻巣にいたんだよ。」「あら、まあ」 ユキちゃんともすっかりうちとけて
すっかり側にいる。「これから海岸へ行ってごらん。送って行くよ。」
一面サンゴ礁の春田浜海岸。パラソルもあり、やぐらには見張りのお兄さんもいて
なんと気持のよいこと。居合わせた5年生の男の子の家族と一緒に“海の生物”の
採集が始まる。カニ、エビ、ヤドカリ、熱帯魚、サンゴ、みんな生きている。大きな
ナマコはいじめられてか体で抗議してみんなをビックリさせた。そんなこんなで帰って
こないH君を待つこと3時間ずっと海に風に吹かれた。心地よかった。迎えに来た山口
さんがホテルまで送ってくれた。今日は感謝の一日だった。店の屋久杉がくれたご縁
とふっと思った。明日はいよいよ縄文杉登山がんばるぞ。

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ガイドの寺田さんが早朝4:30ホテルに出迎えてくれた。いよいよ縄文杉登山!
登山口へ車で1時間ほど登りつめるともう既に駐車場はいっぱいで大勢の登山者が
歩き始めていた。トロッコ軌道を延々と歩く。途中小杉谷集落校舎跡地で休憩、朝食
のおにぎりをパクリ。単調な時間が過ぎ飽きる頃にようやく大株歩道入り口にたどり
ついた。「これからが登山道、ゆっくり行くから安心してくださいね。」休憩で大勢の
人げ溢れかえっている。みんなにこやかで言葉を交わす。「がんばろうね!」
急勾配のある岩場や桟道が続く。不思議と息が上がらない。森の恵みのせいなの
だろうか。翁杉、ウィルソン株まで一気に登ってしまう。

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ウィルソン株は秀吉が島津氏に伐採させた巨大な切り株だ。中は空洞で朽ちた穴を
見上げればハート形の木々の緑と空が眩しい。切り株は苔に覆われ株の上部や脇に
沢山の木がまた新たに自然再生している。

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大王杉、夫婦杉、もうすぐ目的地だ。ここで昼食、寺田さんが沢の水で沸かしてくれた
コーヒーは絶品だった。“目前”という言葉につられて又急なコースを登る続ける。
ようやくたどり着いた“縄文杉”、ゴツゴツした幹は天空に伸び太い根は大地にしっかり
這っている。さすがに威厳と風格で展望デッキの我々を見下ろしている。汗で頭も身体
もビッショリ。途中親しくなったお兄さんお姉さんとここで意気投合!写真におさまる。

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大満足で、同じ道を戻る。今まで「もう少しですよ」の言葉を何回尋ねただろう。
これからは「もうちょっとです。」と声を掛けていくことになる。急な下りは足に負担だ。

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トロッコ軌道に戻ってから歩けども歩けどもなかなか進まない。H君が寺田さんに
「あとどの位?」「そう、ゆっくりで3時間?くらい」これから急にH君の奇声が始まる。
なんだか分からないので聞くと“世界のナベアツ”という。寺田さんも私も知らない。
‘3の倍数と3のつく数字の時だけアホになる’そうだ。「へぇ~」しばらくはH君の
1人舞台だったが足が疲れて口が重くなってくると寺田さんが言い出した。「今、
食べた木イチゴは何個目?」 1.2.3〆.4…… あと何センチ??年幾つ??
その度に笑い転げて最後は寺田さんと私が奇声を上げてH君を笑わせる始末になる。
足が重く途中の河原で足を冷やしたが一向におさまらない。登山口に戻った頃は少し
暗くなりかけていた。ホテルに着いたのは夜7時をまわっていた。
延べ何時間歩いただろう。寺田さんのガイドがなければ行けなかっただろう。感謝!
それにしても足の浮腫がすごい。

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早朝、山口さんから「愛子焼酎」をいただく。愛子岳の麓の酒屋さんが「愛子」という
名で焼酎を売りだした。ちょうどその直後愛子様が誕生され一躍大人気の酒となった
という話を彼がしていた。そんな数少ない貴重なものを本当にありがとう。
その後、寺田さんに乗船場まで送ってもらった。家で息子さんにナベアツの話も
したそうだ。お世話になりました。1.2.3〆.・・・

帰路途中、種子島の宇宙センターに寄る。センター内ツアーを事前に申込んであった。
種子島についてから路線バスを片道2時間近く揺れて島の南端到着した。遠~い!

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海と緑に囲まれたロケット打上げ射場は世界一美しいといわれているそうだ。
人工衛星の組立場、ロケット発射場、総合指令棟などバスツアーが組まれていた。
なかでも発射場でちょうど作業が始まるところにかちあった。「ラッキーですね」と
ガイドさん。緑色の虫みたい作業車ドーリーが射場にソロソロと向かっていた。射場を
囲む高い建物の一面が空いている。「射場のカメラ撮影はダメです。」とガイドさんの
緊張した声がバス内に響いた。やっぱりよかった、ここまで来て!!すごいよね。

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帰りのバスもトッピー船も爆睡?状態がずっと続く。今日は美味しいものを頂く時間の
余裕もなく飛行機に飛び乗っていた。我が家へ戻ったのは11時をまわっていた。

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今回の屋久島旅行は悠久の森、生きている海の大自然、そこに住む温かい人々に
触れられたこと、ゆっくりと島時間を過ごせたこと、自然再生というエコを体感実感
できたこと・・・そして、みんなが心配してくれていた中級者向けの「縄文杉登山」が
達成できたことです。本当に来てよかった。H君一緒に来てくれてありがとう。

投稿者 staff : 2008年07月28日 21:42

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